公演概要
- 公演名:早乙女太一 OTOGI
- 日時:2025年4月30日(水)18時開演
- 会場:I’MA SHOW
- ゲスト:橘大五郎さん
1部:お芝居『弁天小僧』――静かな火花
この夜の部のお芝居は、お馴染みの演目『弁天小僧』
早乙女太一さんが弁天小僧菊之助を、そして特別ゲスト出演の橘大五郎さんが南郷力丸を演じました。
“太一×大五郎”という二人の存在そのものに意味がある――そんな印象です。
アドリブでの軽い掛け合いはあったものの、笑いを誘う場面は控えめ。
顔色が悪いぞではなく、アゴ周りが青いぞと(笑)大五郎さんひげネタで笑いの要素を少し入れるだけでお芝居全体はあくまで落ち着いたトーンで進みました。
存在感の重みと空気感だけで魅せてくれるのが、この二人の凄み。ちょっとした所作や間合いに、それぞれのキャリアと関係性がにじみ出ていたように感じました。
2部:舞踊ショー後半野獣と化す美学
舞踊ショーは本音を言えば、せっかくの貴重なゲスト公演なので、
太一さんと大五郎さんとのお江戸ポルカなどの相舞踊が見てみたかったのですが、大五郎さんは女形で1曲個人舞踊があったのみでした。
大五郎さんは、翌日には朝一番の飛行機に乗って九州で初日を迎えるそうです。
なんでそんな荒業ができちゃうんでしょうね。
凡人の自分の脳内では理解不能です。すごすぎます。
INSIDEとは一転、大衆演劇の個人舞踊要素が強めのOTOGIの舞踊ショーは
太一さんが切っても切っても誕生日公演ですか?と思うほどの個人舞踊の舞を堪能しました。
INSIDEは、ダンスパフォーマンス、OTOGIは「舞」という言葉がピッタリです。
当初はOTOGIのチケット入手が難しすぎて見れないと思って諦めていました。
ですが縁あって運よく見ることができ、これはINSIDEもOTOGIも見てこの短期間に2度おいしい楽しい想いをする公演でした。
ラストは見覚えのある朱雀公演ラストナンバー
ゆっくんパートも太一さんが担当
竹棒をぐるぐる回して「がおー」と雄叫び。あの瞬間、まさに“野獣”の気配でした。
その勢いで上にポーンと投げた竹棒が下手側にすっ飛ぶハプニングも。
その後、地球を割りそうな勢いで棒を突き立てたかと思えば、舞台ではなくその前のお客さんの足元近くに…
お疲れなのかしらは、当然ですが(そりゃそうだと思わざるを得ないほどハード)動きのキレの良さからは逆に体力の底知れなさも感じられました。
太一さんの舞踊は常に全力投球。
あの舞を見て、心揺さぶられない人はいないと思います。
「相舞踊」が見たかった…という小さな願い
今回の構成には、ちょっぴりの寂しさもありました。せっかくのゲスト出演なのだから、もう少し二人の“絡み”が見たかった。
兄弟のような笑顔で舞う相舞踊や、弟キャラに甘えるようなレアな太一くんの表情――そんなシーンを求めてしまうのは、ファンのわがままでしょうか。
カーテンコールで見えた、敬意の姿勢
舞台最後、カーテンコールで見せた太一くんの所作に、心がじんとしました。
階段上のセンターで立つ女形の大五郎さんに向かって、太一くんが振り返り、膝をついて拍手。友情と敬意の象徴のような一瞬で見ているこちらは心温まります。
こちらのティッシュは入場の際にいただけました。

まとめ:静かな情熱と誰も踏み入れない確かな絆
大きな山場やサプライズがあるわけではないけれど、しっとりと胸に残るステージ。
互いを尊重し合い、“存在感”で惹きつける。
友情と円熟の交錯する夜――それが、4月30日『OTOGI』の舞台でした。
(観劇記録・2025年4月30日 18時公演)
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